シルク・ド・ソレイユ考察

マカオで鑑賞したシルク・ド・ソレイユについて考えてみたい。みんな口を揃えてシルク・ド・ソレイユ良かった、凄かった、見た方がいいと言うが、何が優れているからこれほど人気になったのか。

以下、公演の内容について記述があるのでこれからZAIAを見る方はご注意ください。

ZAIAの公演の構成は、
1.冒頭の寸劇
2.メインのサーカス、その合間に寸劇と特殊装置による演出
3.フィナーレ
という流れになっていた。おそらく他の公演も同様の構成だろう。

冒頭の寸劇。少数のピエロによる、最前列の観客を交えた笑いを誘う寸劇。暗い舞台にスポットライト、天井から垂れ下がる一本の縄。ここで不思議世界を演出し、シルク・ド・ソレイユ独特の世界へ徐々に引き込んでいく。

メインのサーカス。様々なサーカスが披露される。ジャンルも多様だ。ジャグリング、バレエ、ローラースケート、体操技、雑技。クオリティは非常に高く、あまりに淡々とこなしてしまうためそれが難しい技に思えないほど。シルク・ド・ソレイユの世界に合った衣装や小道具を用いることで、全体の印象を統一し、また芸術性の高いものに見せている。

ここで重要なのは、個々のサーカス自体に目新しさは特になく、既存のものだということだ。それを新鮮なものとして見せる上手さがシルク・ド・ソレイユにはあり、それこそがシルク・ド・ソレイユの凄さだと思う。

シルク・ド・ソレイユの世界が存分に披露されるのは、サーカスの合間に入る特殊装置による演出だ。ここでぶっとんだ世界に観客を浸らせる。そしてその世界に合致した衣装や小道具を用いてサーカスをすることでそこに新鮮さが宿る。サーカスの合間の寸劇には、冒頭から続く物語があり、あぁそういえばこのピエロたちどうなるんだろうと客を飽きさせない。

音楽についても触れておきたい。演奏は全て生演奏で、観客から演奏している部屋の中が見えるようになっている。衣装はもちろんシルク・ド・ソレイユ仕様。曲のジャンル、使われる楽器は実に多様。とてもカッコイイ。当然この音楽も世界の演出に大きな貢献をしている。

さてここまで個々の要素について見てきた。サーカス、寸劇、特殊装置、衣装と小道具、音楽、どれも素晴らしかった。しかし個人的に最も注目したいのは、シルク・ド・ソレイユの世界をつくり上げたことと、それを軸に既存のものを新鮮なものに変化させた構成力である。

以下はメモ。小道具で特に印象深かったもの。
・舞台中央の大きな球。中に照明器具がある。気球や地球になる。
・光る傘
・航海用望遠鏡
・自転車(逆さ自転車)
・獅子舞
・メガホン
・巨大蛍光玉
・シャボン玉

時をかける少女

仲里依紗が気になったので見てみた。

時をかける少女 通常版 [Blu-ray]
アニプレックス (2010-10-13)

非常にシンプルなストーリーだ。小細工はない。映像や演出も特に目を見張るものはない。よって、映画としてあまり人に勧められる要素はないのだけれど、期待していた仲里依紗の演技がとても良かったことと(特に最後の泣き叫ぶシーンは息をのんだ)、タイムトラベルものが最近自分の中でブームだったので、その記録としてここに記す。

印象に残った台詞があった。記憶が曖昧だけど、以下のような台詞。

未来から来たのに、わたしが未来に帰ったら涼太にとっては過去の人になっちゃうんだね。

ワシントン・ナショナル・ギャラリー展

キャッチコピーは『この「顔」、初来日。』

フェルメールよりも空いてた。宣伝の差だろうか?顔よりも手紙の方がオシャレだしな。

内容はこちらの方が良かった。印象派、ポスト印象派のコレクションだった。個人的に目を引いた画家は、モネ、ルノワール、ロートレック、セザンヌ、スーラ、ゴッホ。

モネ。「日傘の女性、モネ夫人と息子」「ヴェトゥイユの画家の庭」。一見した印象は、漫画の表紙の絵みたい。色使いが理由だろうか。現代でも幅広く支持されそう。

ルノワール。「ポン・ヌフ、パリ」。

ロートレック。「アンバサドゥールの粋な人々」。独特。おちゃらけて描いてんのかなと思うような作風。

セザンヌ。「ゼラニウム」「アントニー・ヴァラブレーグ」「『レヴェヌマン』紙を読む画家の父」「赤いチョッキの少年」「水辺にて」。上手い!すげーって思った。色々な画法で描いているけど全部上手い。(一般的な評価は知らないが)。

スーラ。「オンフルールの灯台」。点画。とても静寂な世界に見える。

ゴッホ。「自画像」「薔薇」。つい見入ってしまう力強い魅力がある。ぐりぐり描く筆触を通して情熱が今も発散しているみたい。心が落ち着かない。

ゴッホのファンになりそう。

台湾旅行

台湾に旅行してきた。

またか!と言われそうだが(実際周りにもよく言われた)、仕事ばかりしていた去年の反動で今年はそういう年だったのだ。富山、北海道、九州、マカオときて、今年最後の旅行が台湾である。

台湾についても無知だったので、例のごとく前日に台湾について軽く調べようと試みたが、政治的にややこしくて途中で諦めた。そもそも中華民国と呼ばずに台湾という呼称が一般になっている点からしてややこしい。とは言え九州ほどの面積に2300万人もの人が住んでいて、経済もよく発展しており(GDP11位)、民主共和制である、といった情報からは豊かな印象を受けるし、実際に首都台北はその通りの街だった。


大王牛乳というフレッシュジュース屋さん。杏仁牛乳を頂いた。


こういう中国らしい汚れた建物もあるが、百貨店や綺麗な建物が多い。ユニクロ大型店も発見した。


台北101。展望台へはミスって登れず。。。すごい人だった。


みんな大好きディンタイフォンの小籠包。とても美味しい。101内にあった。店内は小籠包の店とは思えないほど広い。働く人数も非常に多い。回転は速そうだったが、ちょっと落ち着かなかった。


台北アイという京劇を見に行った。獅子舞が良かった。後半の京劇は道教の世界が垣間見れた。シルクドソレイユを見たばかりなのでどうしても比較してしまうが。。。


客席へ来る獅子舞。触った。

故宮博物館へ行ったが、不覚にも写真を忘れた。展示物は当然良かった。白菜とか。人間と自然の調和です。非の打ち所がないらしいです。


故宮の敷地内にある広東料理屋。チャーハンが美味しい。本場は違う。


タピオカミルク。めっちゃおいしい。結構食べたのに一人1500円ぐらいで済んだ。安い!


忠烈祠。衛兵さんいた。若い人でした。


バスで一時間くらいかけて九份へ。日本の温泉街と中国文化がミックスしたような印象。面白い街並み。


猫。


犬。


九份茶坊という店でお茶を頂く。きちんと中国茶を頂くととても美味しい。


景色の良いテラス。


行列ができていたお店。臭いが独特。


ここは千と千尋の映画で参考にされた建物らしい。


台北に戻ってきて少しだけ士林夜市に行った。ものすごい人。屋台で少し買い食いした。


総統府。大統領がここで仕事をしているらしい。平日午前中は見学できる。日本語で解説してくれてとても興味深かった。


新光三越百貨店にある、欣葉という台湾料理屋。ここも美味しかった。


杏仁豆腐で締め!

マカオ旅行

マカオを旅行した。
有給一日くっつけて、週末海外旅行。

マカオについては知識も興味も無かったけど、出発直前に歴史などを調べたらなかなか面白い街で、実際行ってみたらなお楽しい街だった。

元ポルトガル領、かつてのイエズス会の拠点、1999年に中国返還、人口密度世界一(半島部分)、東洋のラスベガス、チャイナマネーによって(売り上げ的には)世界最大のカジノ都市になった、などなど。

さて、旅の記録は例のごとく写真で。ちなみに写真の半分程度は友人のイケてる写真を使わせてもらっている。


午後出発の便で、夜にマカオに着いた。これが正解で、着いて早々カジノのネオンに圧倒される。ここは泊まったホテル。大きいホテルにはカジノが付属。24時間営業。


街並み。中国的な景色。


夜の裏路地。危険はあまり感じない。


セナド広場。ポルトガル的な景色。見かけるのはほぼ中国人。日本人も少ない。


聖ポール天主堂跡。ポルトガルがマカオに来たのは西欧の植民地政策の初期であるため、歴史的価値が高い建物が多い。


ホテルからの眺め。人口密度世界一!


教会も多い。偶然にも中で大学の卒業式をしていた。さすがに西欧的な人も多かった。


マカオ、ポルトガル料理。独自の食文化のミックス。これはダックライス。


カレークラブ。


旅行のメインイベント。シルクドソレイユを見るためにベネチアンホテルへ。写真ではスケール感が全く伝わらないが、とにかくでかい。日本には無いスケール感。到着日にこのホテルを見て、別世界来たーと思った。


シルクドソレイユ。ZAIA。とても良かった。ちなみに直前にこの巨大ホテルではぐれたときはちょっと焦った。2グループに分かれてタクシー乗った後、降り場が違ってはぐれたという。。。


そしてカジノ!大小というゲームをした。余ったお金が一瞬で消えた。ディーラーもお客もほとんど中国人。ここは中国人のためのカジノなのだ。


最後は中華で締め!

安くて日本から近くて街がコンパクトで(移動が楽)、でも建物のスケール感は大陸でカジノがあってシルクドソレイユもあって、マカオ料理もポルトガル料理も中華料理も楽しめる、そういう(自分の中で)穴場スポットなマカオでした。

フェルメール

フェルメールからのラブレター展を見に行った。

展示名がオシャレだね。
オランダ全盛時代の絵画を、コミュニケーションという観点で絞って集めた展示。

メインはフェルメールで、もちろん良かったけど、ピーテル・デ・ホーホとヤン・スーテンの作品も気になった。デ・ホーホの作品は、絵の中に目を引く色が一色使われていることが多かったから気になった。視線が誘導されるからだろうか。ヤン・スーテンは物語が伝わってくる絵で目を引いた。

フェルメールは「手紙を書く女と召使い」が一番気に入った。部屋に外から差し込む光の表現が良かったから。飾ってあった3つの絵は全て手紙の作品。もはや印象はフェルメール=手紙の画家。

心のフックに引っかかれば印象が増幅される。

まほろ駅前多田便利軒

読んでいて気持ちのいい文章。

まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)
三浦 しをん
文藝春秋

優れた作家の文章は、その文章をつらつらと読むだけで心地よい。その文章が会話であっても、情景を描いていても、心情を描写していても。

はっとする言葉がちりばめられている。

思わずペンで線を引いてしまうような文を、あちこちで見つける。おぉグッとくる言い回し!と心の中で何度呟いたことか。

針が飛びまくる傷だらけのレコードに相槌を打つみたいで、

鉋は時を削る道具だ。刃をあてて引くたびに、時間の澱が薄くはぎ取られ、

北村の声は、なぜ空は青いのと聞く子供みたいに明朗だ。

さて、そんな著者の言葉で紡がれるまほろ駅前多田便利軒は、お話も抜群に面白い。

この話のテーマは、取り返しのつかないことやどうしようもできないこととどう向き合うべきか、親子の関係とはどういうものなのか、の二点だと思う。前者は主人公が抱える問題として、後者は主要登場人物のエピソードとして語られる。

それらのエピソードは9つほどあり、よくよく整理してみれば全て親子あるいは飼い主と飼い犬についての話が絡んでいた。血の繋がった普通の親子はことごとく問題を抱えているのに対し、血の繋がっていない親子はみんなそれぞれの幸せを形作っているという、極端な描き方でテーマを伝えようとしている。とは言いつつなんとなしに読んでいるときは便利軒のドタバタエピソードとして楽しめているのだから、見事だ。

テーマについての答えはもちろん用意されている。

テーマ1は、完全に元通りにはならなくても、再生する道筋はある、という励ましとして。テーマ2については、血のつながりが大事なのではない、という励ましと戒めとして。

最後に、最もグッと来た言葉。

「はるのおかげで、私たちははじめて知ることができました。愛情というのは与えるものではなく、愛したいと感じる気持ちを、相手からもらうことをいうのだと」

ハリーポッターと死の秘宝 PART2

まずはシリーズを最後まで見られたことが素直に嬉しい。

ラストを映画館で見ることができてよかったな、という出来で楽しめたけれど、何かを考えるきっかけにはあまりならなかった。話の理解が浅いのかもしれない。

シリーズものの映画は、見る側にもそれなりの負担がかかる。存分に楽しむためには新作を見る前に前シリーズをおさらいする必要があるからだ。ハリーポッターのようにシリーズ間がそれほど独立していない映画であればなおさらだ。

今回は最終編を映画館で見るにあたり、未視聴だった「不死鳥の騎士団」以降の三作をDVDで鑑賞して臨んだので、すっかりハリーポッターの世界になじんだ状態で見ることができた。それでもしばしば?マークだったくらいだ。

だからやはりこういう映画は、全てのシリーズが出そろった後でDVDなどで一気に視聴したい。テレビドラマをDVDで一気に見るように。

そう考えるとハリーポッターの印象も変わる。ハリーポッターの映画シリーズは全8作。時間にしたらテレビドラマ1シーズン分くらいの長さがある。それを超大作映画のクオリティで見られるのだから、こんな贅沢なことはないだろう。

というわけで「24」を見るような気分で、いつかハリーポッター全編を一気に視聴してみたい。

けいおん

今さらながら、けいおん!を見た。

けいおん! 1 (初回限定生産) [Blu-ray]
ポニーキャニオン (2009-07-29)

描かれるのがファンタジーでも恋愛でもなく、部活を楽しむ普通の高校生活だとしてもこんなに楽しめるのは、もう自分が学生じゃないからだろうか。

日常の部室風景や合宿のシーンでは和やかな気持ちになるし、学園祭の舞台のシーンでは高揚感と共に切ない気持ちになる。それは自分の高校生活を思い出すときの心の動きに似ているかもしれない。

最終話も学園祭の舞台のシーンだった。
演奏している曲をバックに(心の中で)語られる台詞が印象深い。

そういえば入学式の時もこの道を走った
なにかしなきゃって思いながら
なにをすればいいんだろうって思いながら
このまま大人になっちゃうのかなって思いながら

フラッシュバックする。
高校生活は3年しかないのに、
今からだったらどんな自分にだってなれるはずなのに、
でもなにをしたらいいか分かんないなって思いながら、
現実は目の前にあることで一杯一杯で気持ちばかり焦ってた気がする。

最後にメモ。
最終話の演奏曲で、語りが入るタイミングメモ。

前奏
Aメロ
Bメロ  ー 唯の語り
サビ
間奏   ー 唯の語り
サビ   ー 語り継続
後奏   ー 「おねえちゃんがんばってー」などのやりとり

曲を聴かせて語りを重ねて、徐々に盛り上がって最後のサビが最高潮になるようにして、無駄なく次の劇中へつながるようになってる。

鋼の錬金術師

最後まで読んだ。

見事だった。面白かった!

どうやって決着つけるのかと思ってたけど、
そういう形での「等価交換」とは。
なるほどね。納得した。

一時期は間延びしたなんて話も知人の間でしてたけど、
一気に読んでみれば脇道にそれることもなく、
一貫したテーマで筋の通った話になってる。

調べるまで知らなかったけど、作者は一児の母とのこと。
これを女性が描いたのか!と驚くと同時に、
扱っているテーマや、
ラストのラストをああいう形で締めたことを考えると腑に落ちる。

てな感じで素晴らしい作品。
今回は時間が無いけど、一度じっくり分析してみたいな。